イタリアよもやま話〜Bollito Misto vol.33

      イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。

 

      ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。

 

      自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

最近こそ数は減ったが、欧州のクルマは思いの外多くの会社が車名に数字を使うケースが多い。御存知の通りもちろんイタリア車も例外ではないのだが、実際の現地の呼び名は、実は日本人にとっては少々敷居が高い、言い難いものだったりするのだ。

 

 

 

フェラーリの166や206、250や288といったレジェンド級から、アルファだと33や1750、フィアットだと124や131、ランチアならD50やB20などが思い浮かぶ。
 

ところでその呼び方だが、日本は日本の、イタリアはイタリアそれぞれ異なった呼び方をしているのをご存知だろうか?

日本だと、フェラーリ308を「サンマルハチ」、512をゴーイチニというように数字をそのまま呼ぶが、基本イタリア人はこうした略称であまり呼ばないのだ。
 

 

ちなみに前者は、トレチェントット。後者はチンクアンタドーデチと呼ばれていて、
これは日本語にするとサンビャクハチ、ゴヒャクジュウニという意味に相当する。

もちろんこれが公式の呼び名なので、逆らうつもりもないのだが、やはりフェラーリ・サンビャクハチでは、ちょっとばかし電車っぽさが漂うのも確かだ。

 

 

ちなみにランチアラリー、つまり通称「ゼロサンナナ」は、ちょっと変わっていて「ゼロトレンタセッテ」、つまりゼロサンジュウナナと呼んでいる。正直ちょっとかっこ悪いなあと思う。
アバルト1324など、アーバルト(これが正しい発音、アにアクセント)ミッレ・トレチェント・ベンティクアットロとなるので、面倒くさいことこの上ない。ともかく、蚤の市で部品を探す時など、たまに舌を噛みそうになる時がある。

 

この表記&発音問題は、日本の自動車専門誌でも昔から取りざたされている課題ではあるが、同じ出版社内の雑誌でも呼び名が異なったりもする。

因みに、MASERATIは本来「マゼラーティ(ラにアクセント)」と読むが、実際多くのメディアでは「マセラティ」と英語発音に近いものが用いられるのはご承知の通り。
前出のアバルトは、英語圏ではエイバース、ランチアがランシアになったりするし、イタリアでのシトロエンは「チートロエン(チにアクセント)」になってしまったりする。各国かなりいい加減なことも確かだ。

 

 

それで言うと、日本人はよくAMGを「アーマーゲー」と発音する方が多いが、正解は「アーエムゲー」もしくは「エーエムジー」。
みんなBMWを「ベー”エム”ベー」とキチンと発音するのに、なぜAMGだけエムがマーになったのかは全くもって不明だ。言いやすいのか?

何故かフランス車はできるだけ現地発音に近いものが多い、例えばルノー5は「サンク」、4は「キャトル」、25は「ヴァンサンク」というくせに、プジョー205は「ニイマルゴ」。

 

日本人って、中島さんがナカシマなのかナカジマなのかでもかなり神経を使うのに、他は本当に適当だなあ、と思ったり。

 

 

 

 

それではまた近々

A prestissimo!