自動車メーカー以外から生まれるクルマたち
ともするとオールド・スクール。
いや、保守派?
もっと言うと頑固おやじ?
新しいものに対して近頃すっかり懐疑的になってきた中年オヤジ的には、
それでもなお、「スマートカー」なる言葉やデザインにアレルギー反応を示してしまう。
だが、そもそもスマートカーの目指すべきゴールはきっと「便利な召使い」なわけで、自分で運転する乗り物ではなく、人間さまをエスコートしてくれる自動車のようなものになるはず。だから車好きという観点からは最近はちょっと冷静さをとりもどしている。
さて、その話題のアップル・カー(仮称)。
アメリカの風刺サイトThe Onionで面白い予想が出ていたのでご紹介したい。
・フロントガラスにはさまざまな情報が実際の4倍の高解像度で表示される
・特殊なアップル製のガソリンを燃料としている
・ギアチェンジのたびにiCloudにサインインするよう促される
・ドライバーの過去の運転履歴から適切なスピードが推奨される
・なめらかだが、目立たないエアーバッグを搭載している
・減速するとタイヤのホイールがレインボーカラーに変わる
・カップホルダーを搭載している
・もちろん、お洒落なアップルのステッカーも付いてくる
というものだ。
つまり、まったくもってその全容は不明なわけだが、やはり冒頭で述べたように最終的には完全自動運転をもとにした、人をエスコートしてくれる「召使い」的乗り物を目指すことは明白だ。
そうなると、これはもう我々の知っている自動車、つまりクルマとは明らかに異なるものだろう。
運転の楽しさとか操縦安定性とか、サスペンションがどうしたとかそういうのを一切気にすることのない、いわばれっきとした四輪ロボットだ。
だからこそなのだけれど、デザインだけはなんとかしてほしい。テスラもそうだが、どうして中途半端に現在の自動車のデザインを引きずっちゃうんだろう。
なにより未来の乗り物なんだから、もっとはじけててもいいし、何よりもっとかっこ良くしてほしい。さらには、もうちょっと人との親和性とか考えてほしい。
昨今の自動車デザイン全般に言えることだが、乗っている人が素敵に見えないデザインが多すぎる。まあ、電車やバスなどの類と同じと考えるなら、あまり目くじらを立てる必要はないと思うのだが…。マウスやリモコン、掃除機みたいな「小さな」デザインにはしないでほしいと思ったり。
上のイラストのように、手塚治虫先生がはるか昔に描いた、ぐっと未来感のあるものにしてほしいと切に思う。先生はこのクルマのデザインに何十日も何百日もかけたわけじゃ決してない。たぶん、あらかじめ「こうあるべきだ」というイメージがあるのだろう。だから、よっぽどこのイラストのほうが人との親和性が高い「のりもの」としての完成度が非常に高いのが実に興味深いところだ。
それではまた近々
A prestissimo !!