今回は連続する旧車ショーの話にちょっと小休止を入れ、イタリアで巻き起こるとある論争について少々。
いま、世界各国で街灯のLED化が標準化されつつある。
言うまでもなく明るく、消費電力が少なく、安全面でも経済面でもそのメリットが受け入れられているのだが、欧州のいくつかの都市においては、ちょっと簡単に事は進んでいないのはご存知だろうか?
かつてのフランス車がイエローバルブを推奨し、街の景観を保とうとしたのは一昔前の話だが、多くの歴史都市では「景観の保持」という大きな使命を担わされているのが現実だ。
パリ、ウイーン、ローマ、ヴェネツィア、フィレンツェetc.
電気代軽減よりも美意識を大切にするという気概は、個人的には実に素晴らしいと思うし、これらの街の多くは観光によって潤っているわけだから、景観にこだわるのはある種当然の義務のような気もしている。
そんなこと、これらの街というか国は当然と考えていると思ったのだが、そこはイタリアだ。なんとあのローマが街灯の一部LED化を行なったのだ。
結果は火を見るより明らかで、写真の新聞記事のように、まさに「即炎上」しているわけだ。
LEDがローマの街の趣を台無しに…。
とまあ、そんな記事なのだが、そんなことはやる前からわかりきっていたはず…。
ともかく財政厳しいイタリアにあって、この選択肢は経済的には仕方ないところなんだが、それでもやっぱり実より名を取るべきなのではないかと思ったりする。
ちなみにフィレンツェの中心地は数年前の街灯の照度でさえ激しい議論がなされたのだが、無論景観優先に落ち着いたのはいうまでもない。
名より実を取り、すっかりと面白みのない街になった東京。
イタリアを手本にとも思ったが、時代がそれを許さなくなるのだろうか…。
それではまた近々。
A prestissimo!!