さて、今回のエッセンのトピックをご紹介しよう。
パリでは新型アルピーヌのアン・ヴェールがあったりと、イベント盛りだくさんな感じだったが、エッセンではその手の仕込みはなかった。
その代わり、トリノやパリではあまり見かけることができなかったアバルトやランチアがあったのが特徴だろうか。もちろん値札は「応談」ではあったが…。
前号でも書いたように、メーカーの参入が著しい昨今。この波にしっかり乗ろうというドイツの名門メルセデスとポルシェが元気だった。
まずはメルセデス。
これまでは、やや及び腰な感じの「サポート」をアピールしていたのだが、今回のエッセンでは「あなたの資産は我々の資産」くらいの勢いのアピールぶりで、クラッシックメルセデスは私たちマイスターにおまかせ! というようようなコミュニケーションが目につく。むしろ、積極的に昨今の風潮を後押ししているような気すらする。
ポルシェもキモといわれるような駆動系のパーツをはじめ、この先50年は乗っていけるようなサポートを強調。この先の自動車との付き合い方を示唆するようなアピールぶりが目についた。
いずれにせよ、彼らにとっては過去の商品が現在の売上にも影響しかねないというような考え方だったのが、ここに来て「割り切り」が生まれてきていることも確かなのかもしれない。
つまり、これまでの自動車とこれからの自動車は全く異なるものになっていくということの暗示なのかもしれない…。
つづく
A prestissimo