ニキ・ラウダが逝ってしまった。
このコーナーでも何度か取り上げたことのある、F1界のレジェンドにして、昭和生まれのスーパーカー世代には馴染みの深いドライバー。
何度かここで彼の話をしたことがあるのだが、個人的にはものすごいファンである。
近年映画になった「RUSH」という映画でも描かれた1976年シーズンの話は、当時の車好き少年たちのハートを鷲掴みにしたし、その後の様々な漫画にも彼自身や彼と思しきキャラクターが登場したほどだ。
不屈の闘志という言葉は、まさに彼にこそふさわしく、等の76年の死地をさまようような事故からの復活劇は、本当に衝撃的だった。
もちろん、これを期に最初に手に入れるヘルメットは絶対にニキ・ラウダモデルにしようと心に刻んだものだ。
恐ろしく滑らかでスマートな走りからコンピューターの異名をとったラウダさん。(さん付けです、心の師匠だから)
当時、絶対服従が基本だったエンツォ・フェラーリに対しても、歯に衣着せぬ言葉で勝つための提言を繰り返し、信条に反することがあるとすっぱりと背を向けるその潔さ。
突如「ハツカネズミみたいに同じ場所をくるくる回るのに飽きた」といってF1を一旦引退するも、自身の航空会社が経済的にピンチとみるや、ポルシェエンジンをひっさげマクラーレンからF1復帰。
そして見事三度目のワールドチャンピオンをかっさらってしまうというカッコよさ。
縁があってF1の仕事に就いたとき、当時フェラーリのアドバイザーもしていた先生を、パドックやピットで見つめておりましたが、一度だけ仕事の合間に会話する機会に恵まれた。
今思い出しても、恥ずかしいほど本当に舞い上がった。いい歳をこいて、本当に舞い上がった。
「今はこうして仕事してますけど、本当に子供の頃からあなたの大ファンでした…。最初の車もあなたが広告に出ていたFIAT X1/9だったんですよ!」
そう言うと、キリッとありがとうと言われ…。
勢いサインを免許証に貰おうとしたら「すまん、TVのインタビューがあるからまた!」といって断られてしまった…。
普通なら痛恨の極みなのだろうが、私ほどのファンともなるとむしろ「ラウダにサインを断られた」ということを自慢にしてきたことは言うまでもない。
しかし、今となっては本当にサインほしかったなあ…。
よくいるファンのように、「CIAO NIKI!」とか言って、帽子を差し出せばよかった…。
5/20 月曜日 マラネロの友達が「今日は半旗だよ…。」そう伝えてくれた。
Addio Grande Niki!
心よりご冥福をお祈り申し上げます。