イタリアよもやま話〜Bollito Misto vol.18

イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。
ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。
自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

さんさんと照りつける太陽が、ややおとなしくなり、長かった夏休みも終わりを告げるイタリアです。休み明けの仕事始めは「IAA」ドイツ車の祭典といってもいいフランクフルト・モーターショー。
自動車雑誌や各種web上ではいろんな記事が賑わっていると思いますが、極私的な視点からのリポートをしたい。いきなり毒を吐くようで申し訳ないのだが、ここはこれまでイタリアンミニスポーツカーに乗り続けてきた「いちマニア」としての意見を語らせてもらおうと思う。

 

 

 

今回は恐らく東京モーターショーでもイタ車界の目玉になるであろう、アルファロメオ4Cの最終形態が見られたので、それについて。

 

 

 

他のメディアでさんざん言われていたが、確かに重量は895KG(ただし乾燥重量)と書いてある!
軽いじゃないか!
1750ccのエンジンはいまどきのターボ付き241hp。もちろん、フラットトルクで柔軟性抜群だろう。そして、最高速258km/h、0-100km/hが4.5sec。そう書いてある!
速いじゃないか!

 

 

 

 

 

 

 

ほぼほぼロータス・エリーゼのハイパフォーマンス版だったSCと同じかそれより優れた性能だ。
書類審査的には近代スポーツカーとして二重丸が付けられる数値と言えよう。

 

 

 

さて、気になる面接といこう。
8Cっぽさが残るクラシックデザインの踏襲なんだけど、正直未消化な感じがある。
特に深海魚みたいなオメメ。これはどうなの?
あくまで個人的な趣味の問題なのだが、「うーーーーーーーーーーん…。」というのが正直な第一印象。

 

 

というのも、このデザイン。アルファさんが自ら「コンパクト・スーパーカー」と銘打っているので、その意味ではこれが正しいのだとは思うが、それにしても絶対的に小さなボディなのに、ものすごく「がんばっちゃってる」感じが否めない押し出しの強さを感じるのだ。

 

 

 

前述のエリーゼとほぼほぼ同じようなディメンションで、存在感という意味では結構瓜二つにも関わらず、ある意味兄貴分のフェラーリ458などよりもエグみがあるのだ。
これが、いい意味で「新しい毒」になるならもちろん大歓迎なんだが、どうにも旧い感覚のイタリアンライトファン的には、何かこう少々引っかかるのだ。もっと、「シレッと」したいなあと。

 

 

 

 

 

パッケージングの観点から見ると確かにスポーツカーだが、それでも180cmを超える巨漢系の私にとっては、かなり窮屈感が強い。
そう、ライトウェイト・スポーツカーという軽快感溢れる印象より、「窮屈」な印象があるのだ。これは実際に操縦した際に「フィット感」という言葉に置き換えられれば最高なのだが…。
確かに、性能的には4Cは超一級のスポーツカー、紛うことなき「コンパクト・スーパーカー」といえよう。

 

 

 

ただ、駐車場で他のスーパーカーと並んだ時に、恐らく得も言えない「とっちゃん坊や」感が出るのではと、ちょっとだけ懸念してしまう。ここが、あれだけイタリアびいきの私が4Cに対して「両手を挙げない」理由だ。
個人的にはちょっと線の細いくらいでも良いのではと思ったわけで…。

 

 

 

 

 

 

ともあれ、スポーツカーは乗ってなんぼ。ここまで書いておいて誠に申し訳ないが、やっぱりイタ車には頑張って欲しいのだ。
前述の車重やパワーウエイトレシオ。左の写真のような、ラジコンライクなフレームなどお楽しみ要素満載だ。

 

 

初回1000台(アジア枠100台)はとっくに売り切れ。日本でもプレミアがつくだろうが、せっかくなら、自分仕様にモディファイできる通常モデルの方が魅力的なのかなと思ったり…。

 

 

 

とにかく、一日も早い試乗が待ち遠しい。
次回はその他イタ車編

それではまた近々

A prestissimo!