イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。
ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。
自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。
ここ二回ほどモーターショーの話をしたが、いったい今どんなクルマがイタリアで売れているかについて触れてみたい。
ちなみに、イタリアにおける2013年上半期(1−6月期)登録トップ10というと…。
1.ニューパンダ 58,503台
2.プント 37,182台
3.ニュー・イプシロン 25,859台
4.チンクエチェント 25,232台
5.ルノー・クリオ 20,110台
6.VWゴルフ 19,711台
7.500L 19,305台
8.VWポロ 18,200台
9.シトロエンC3 18,048台
10.フォード・フィエスタ 17,563台
ご覧のとおり、トップ10はいわゆる下駄グルマで占められているが、上位がいまだにイタリア車であることになんとなく安堵感を覚える。というのも、ここ数年のイタリア車の減少がやや目につき、ちょっと心配というかつまらない思いをしていたのだ。
本場トリノでこそフィアット車が多く目につくものの、他の都市では地元イタリア車の勢力は、以前に比べるとぐんと下がってしまっているのだ。全体としてはVWグループ各車の圧倒的な力を見せつけられていた。
それにつられてか、この数年でグッとイタリアのみならずフランス車のレベルも上がったような気がする。
そこに来てのリーマン・ショック。一気に小型車、低燃費車に人気が集まっている、そんな事情がこのランキングに如実にあらわれていると思う。
それでもこれらのクルマたちの顔は、賢明に他との差異化を図ろうと必至になっていると思う。
クルマ好きとしては、チンクエチェントやプントならアバルト、クリオのRSやゴルフのGTIなどのスポーティバージョン。
ちょっとオシャレ目モデルとして、シトロエンC3に対するDS3や500Lのリビングやトレッキングなどがキチンと用意されているところが「さすが」といえる。
というのも、財布に本当に余裕のある方ならいざしらず、「ちょっとだけ、クルマで遊びたい!」という向きにも、程よい価格と使い勝手を持ったスペシャルバージョンというのは、本当に重要なラインナップだと思うのだ。
もちろんモータースポーツ一辺倒というのも堅苦しい話なので、オシャレバージョンだったり、アウトドアバージョンというのは必要なバリエーションだと思うのだ。
個人的にはイプシロンのHFなんか出して欲しいと思っている。(まあ、さすがにインテグラーレは無理!)
左のスケッチなど、もちろんイタリアで日頃の足にするのは到底ムリだが(毎日乗っていると、海水パンツで会社に行くような感覚かと誤解される)、日本で趣味グルマとして乗り回すにはいいのでは? などと妄想してしまう。
ともかく、今はランチアそのものの存続すら危ぶまれている今、なんとかこういう遊び心を実現してほしい。
まだまだ「クルマ大好き」なラテンは、厳しい状況に負けず楽しい車を作り続けてほしいものだ。
それではまた近々
A prestissimo!