イタリアよもやま話〜Bollito Misto vol.50

      イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。

 

      ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。

 

      自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

今年の欧州はちょっとおかしい。
例年お盆をすぎる頃になると、がくっと気温が下がるのだが、先週までの真夏な気温から、いきなり10℃以上も下がることがしばしば。

 

 

 

ついぞ先日の朝などは14℃を記録した。
イタリアのみならずフランスの友人からも、すでに肌寒いなどの報告が入っており、依然30℃超えの日本からするとまったく羨ましい限りである。いうまでもなく、イタリアと日本では夏の暑さの性質が異なり、四六時中エアコンがないと、生命の危険すら感じるのが東京の暑さだとすると、イタリアをはじめとする多くの欧州の国々では日陰さえあれば割合と過ごせる。

無論、海辺に行けば湿度も上がるので、それなりに不快なのだが、

やはりどこかカラッとしている。
日本の海岸線にある、あの独特な強い磯の香りが少ないのは水のせいだろうか?

 

 

 

 

海水浴場がこの不況のアオリで人出が少ないというが、それでも、ビーチパラソルとかなり冷たい水の出るシャワー(シャワールームではなく、ビーチにこつ然と出ているシャワー。これで砂と潮を落とすのだ。)があるだけで十分に避暑ができるということで、自宅でエアコンをつけるよりははるかに経済的だからか、近場の海辺にはそれなりの人出がある。

 

 

 

 

 

日本の海水浴といえば、BBQが鉄板だろうが、彼の地では一切禁止。
ちょっと考えれば当たり前なんだが、大勢が集まる場所は公共の場であるという意識が非常に強い。
刺激の強い水着のお姉さんもいるが、太陽に対するニーズがわれわれ黄色人種とは明らかに異なるせいか、しっかりと身体を焼くことが皆の重要な目的となっている。

 

 

 


よく、こちらではバカンスとは「何もしない」をしにいく期間。というが、なかなかどうして理解に苦しんでいたが、これぞ長寿の秘訣ではないかと最近とみに思う。
日本にいると、何もしない、何も考えないという瞬間がほんとうに少ない。
彼らイタリア人がそんなに日々の激務に苛まされているとは到底思えないが、それでもこうしたこころと身体のメンテは怠らない。

 

 

 

 

それが仕事にも生きているのかというと、これまたそうでもないような気がするが、人としての本質は保てているような気がする。
これって、実は人間にとってすごく大切なことだと思う。

 

 

 

夏休みと同時に飛び込んできた、日本の恐ろしい猟奇殺人事件。
それも一件ではない。こうしたことに真剣に向き合って、対処療法的な解決策ではなく、なぜ日本でこういうことが起きるようになったのかの、根本的解決策を練る時期に入っているのではないだろうか?
身体も心もきちんと日光浴して干さないと、湿り気が溜まって病巣となるということ…。なのではないだろうか?

それではまた近々

A prestissimo!