Bollito Misto Vol.244
今でこそエコノミーなレンジを受け持つフィアットブランド。
イタリアやヨーロッパではともかく、実は戦前には名だたる高級車メーカーだったことは日本ではあまり知られていない。
だからこんなタイトルを見ると「はあ?」となるのもわかる。
今でこそ、伊仏合体のステランティスグループ(本社はオランダ)のいちブランドだが、それこそ陸海空全ての分野で活躍してきた、欧州の巨人である。
今回ご紹介するのは、高級スポーツ筆頭、戦後FIATを代表する「8V(オットブー)」の特別バージョンだ。
その名も超音速を意味する「スーペルソニック」。
カロッツェリア・ギアによる美しいボディを持つ、知る人ぞ知る傑作デザインの一台だ。
戦後すぐ席巻したアメリカンらしいデザインでありながら、イタリア車らしくスマート。
エンジンもその名の通りV8を搭載し、当時としては十分にスーパーな性能と言える時速200キロを誇ったという。
名実ともなったなかなかの名車といえる。
もちろん、レア中のレアモデルゆえに、なかなかの高価格でのやり取りになっているが、ちなみに気になるそのお値段は200万ドル(2億8000万!)ほどという…。
数年前に実物を見たことがあるが(写真のもの)、本当にうっとりとするような美しさで、そんじょそこらのフェラーリなどでは太刀打ちできないようなスペシャルな内装を持つ。
Fuori Serie(特別バージョン)らしい一台だが、ちょっと日本では乗る場所も置く場所も選んでしまうかもしれない。
しかし、時代を超えても美しいモノは美しい。
スペシャルなクルマは、いつ見ても素晴らしい…
それではまた近々。
A prestissimo!!