カーステ?死語?

Bollito Misto Vol.248

80年代、いや90年代はクルマを買えばカーオーディオもイジっちゃうのが楽しみの1つだった。それが今やすべてが純正。いや純正が極めて良いのもが多いというのも社外品に手が伸びない理由の1つ。

あとはなにより構造的に純正品しか受け付けないようなモノも多い。欧州では盗難の心配が無くなったので、いちいちデッキを外して持ち歩くなんてこともしなくてよくなった(これ実話)。

まあ、そもそも音源だってテープやMD、CDを使うことすらなくなって、ほとんどの方がスマホを音源にしている。ナビだって、GoogleやYahooなんかを使うケースが多い。オービス探知機のアプリだってあるので、私自身もスマホをカーインフォテイメントの主軸においている。

もはやカーステなんて言葉自体が、今の若い人に言っても伝わらない死語なのかもしれない。いや、カーナビなんて言葉すらそのうち無くなるかもしれない…。

ところがここ2年くらいで、その状況に変化が見られつつある。

完全に見捨てられたと思っていたサードパーティ製によるカーステの代替品だが、スマホ利用を前提にしたAndroidやCarPlay対応のデッキが中華製を中心に百花繚乱の状態になりつつあるのだ。

©ATOTO

そんな中、ヤングタイマー系の8,90年代に多い黒っぽいインテリアにぴったりの、欧州のスタンダードだったブラウプンクト(Blaupunkt)社から、まさに当時のデザインをまとい、中身は近代的という商品が登場している。

©Blaupunkt

ラジオの周波数の関係などで並行輸入車に付いていた現地のデッキ類を諦めた人間にとっては、純粋にヨーロッパなデザインが楽しめるということだけでも少々盛り上がる。

昨今の旧車人気が理由なのだろうが、いずれにせよ、また再びカーステの自由が取り戻せたような気がするのでちょっと嬉しい。

©Blaupunkt

しかし、残念なのは、そこに日本メーカーの名前がすっかり消えてしまっていることだ。

件の半導体不足でお家芸ともいえるカメラなども生産できない日本。

一体この先どうなってしまうのやら…。

それではまた近々。

A prestissimo!!