自動車ジャーナリストで日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員でもある河口まなぶ氏による弊社商品車・ランチアデルタインテグラーレEVOⅡのインプレッションです。
同型車種のご購入をご検討されている方は是非ご参考にされてください。
ランチアデルタインテグラーレEVOⅡ
車体色:ビアンコ
走行距離:37000km
年式:1995年
車検:2年付
排気量:1990cc
1979年にデビューし、実に1993年までの14年という長きに渡って生産されたランチア・デルタ。
今回試乗したHFインテグラーレ・エヴォルツィオーネ2と呼ばれるモデルは、時間とともに進化してきたデルタの最終型である。1993年に発売された“究極のデルタ”であるエヴォ2は、最高出力が215psとなった他、タイヤ&ホイールは16インチに変更されたのが特徴となっている。
試乗車は1995年式となる最終モデルで、走行距離は3万7000キロ。
まずエクステリアだが、さすがに新車時の輝き、というわけにはいかず、小傷等はあるものの、約17年が経過したと考えると状態は良い方だろう。一方でインテリアは驚きのビニール付き。カーペット部分のそれがはがされずに残っていた。
とはいえさすがにデルタ伝統ともいえるアルカンターラのスポーツシートは、運転席側は年式なりにヤレは見られる。
ただ助手席やインテリアに関してはかなりコンディションは優れており、運転席以外は新車から少し経った状態のように目に映る。
またこの個体はマフラーやステアリングが社外品に交換されているが、これも“らしい”ものなので雰囲気は全く壊れていない。
では実際に乗ってどうか?
率直に新車から比べると足回りは若干ヘタりがあるように感じるが、これはタイヤが古いことも関係しているだろう。もちろんこれはタイヤを替えれば済むこと。さらにダンパーやブッシュ等を替えれば、相当に味わい深い走りが手に入るだろうと予測できる。
また同様にウェザーストリップが劣化しているため、高速走行で空気の吸い出し音がある。しかしこれも同様にリフレッシュしてあげることで回復できるだろう。
印象的だったのはエンジンの実力の高さ。現代のターボと比べると明らかにドッカン型であるが、パワー感はかなりのもの。
ボディがコンパクトかつ軽量なこともあって、最近では味わえない痛快な感覚が身体に染みる。
またハンドリングも含め、現役のスポーツモデルと比較しても全く色あせないスポーツ性を感じさせる点も魅力的。それだけに、消耗パーツをリフレッシュしてあげて、本来の実力を存分に引き出して上げたいと思える1台だったのだ。
(※このインプレッションは当該車両の状態や性能を保証したり、購入時の責任を負うものではありません。あくまで個人の感じた印象を記しています。)