284 かわりゆく好み

音楽やファッションに例えるとわかりやすいと思うけど、いわゆる懐メロになる歌は、ジェネレーションによってさまざまだ。青春時代に着ていた服装というのも、やはり歳をとっても特別な存在だったりする。

もちろんクルマもそうだ(そうだったというべき?)

欧州はもちろん、この4月に幕張メッセで開催された日本の旧車イベント「Automobile Council」でも、人気があったり、すぐに売れてしまうクルマにちょっと変化がでてきた気がする。

それは戦前のクラシックカーの激減である。

これはパリのレトロモビルでもそうだったのだが、1910〜30年代に青春時代だった人というのは、現実的にはすでにお亡くなりになっており、ここ数年はその子孫の世代が先祖のお宝を守り続けているというのが実情だった。
おそらくその流れはこの20年くらいは続いていた。
まずは自分の思い出があり、その次に親との思い出を引き継ぐというパターンだ。

彼らは大雑把に言うと1950年代生まれくらいまでの年齢層ということになる。
それはつまり、若くても70歳以上というジェネレーションである。

医学や健康に対する取り組みが劇的に進歩したので、いまの70代の方は以前とは違い、ずいぶんとお若い感じで元気な方が増えたが、それでもみんながみんな現役バリバリで運転できるかというと、ちょっとそれは厳しいのが現実。だから、その子どもたちの世代にバトンタッチというのが現実だ。

つまり、60〜80年代あたりの世代が、次なる旧車の担い手という具合だ。

かくいう私も60年代生まれのオッサンだが、正直戦前モデルには全く食指が動かない。
同じクラッシックカー好きとはいうものの、その好みは随分と先輩世代とは異なってきている。


やっぱり、学生時代のYoung Timerと呼ばれた70年代80年代の車たちや、いわゆるスーパーカーたちが「ど真ん中」世代だったりする。

その傾向が、この5年くらい随分と進んできた気がする。

これまではまだ若いと言われてきた世代が、働き盛りになり、いつのまにか、ゆとりを求めて趣味の世界に時間とお金を使い始める。

人も歌もそうだが、クルマも世につれその好みや人気の対象が移り変わってきたようだ。

みなさんのイチオシはなんでしょう?

それではまた近々。

A prestissimo!!