292 カルロス・ゴーン

日産の救世主から一転、警察に追われる身となり、スパイ映画よろしくまんまと海外へ逃げおおせたカルロス・ゴーン氏。
日本じゃすっかりご無沙汰だけど、つい最近イタリアで彼のことが話題になったので触れてみたい。

↑©日本経済新聞出版社 今見ると、いろいろ含みがあるように見えるタイトル(笑)


2018年の逮捕とその後の劇的な脱出以来、様々な法的闘争に巻き込まれている彼。
今度は、英領ヴァージン諸島高等裁判所による判決で、彼が2017年に購入した全長121フィートのイタリア製ヨットが、日産の資金を不正に使用して購入されたものであると判断を下し、ヨットを日産に返還するよう命じたようです。

この6年間、フランス当局もルノーでの同様の財務不正の疑いでカルロス氏を起訴しており、インターポールは彼に対する国際指名手配を発行しています。

同氏はレバノンに潜伏中といわれていますが、御存知の通りレバノンは自国民を他国に引き渡しません。なので、世界中で彼に対する法的手続きが続いているようです。

ちなみにこのヨット、フルオーダーのナヴェッタ37の船名はなんと「社長」。

シャチョー! だという…。ちょっと笑えます。

©Menn Yacht – Navetta 37

裁判所はまた、資金横流しをしたとされる彼の妻と設立したペーパーカンパニーに対して、日産に3,200万ドル(約34億円)の損害賠償を命じています。

ちなみにカルロス氏は、オートモーティブ・ニュースに対し「もちろん上訴する」と直接語り、自分は無罪であり、日本政府がルノーが日産を支配するのを恐れて自分を陥れたと主張しているようですね。

『The Autopian』によると、現在そのヨットはベイルートに停泊しており、当局が前述の理由でヨットを押収することはないでしょう。それこそ彼がインターポールが効力を発揮する国に航行しない限りは、まず日産に返還されることはないでしょうね。



ちなみにこのヨット、もし競売にかかれば1,200万ドルくらいだろうといわれています。
121フィートのフルカスタム仕様ですから、実は結構お買い得な物件になりそうですので、高級ヨットを狙っているアナタはチェックしておいたほうがいいかも知れません。

それではまた近々。

A prestissimo!!