DXといえばデラックス…。ではなくデジタルトランスフォーメーションのこと。
そう、最近あちこちで耳にする、あの新しいビジネス用の「DX推進」ってヤツです。
「DX推進とは、企業がデジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務、組織、企業文化などを変革し、競争優位性を確立する取り組み…。」
なんて言われてるが、簡単にいえば、デジタル化を進めて、さまざまな煩雑で不明瞭なことをなくしていこうという、まあまあ素晴らしい考え方だといえます。
確かにデジタル化によって、いろんなことが楽でスピーディになってきたことは確か。
おまけに、最近はAI、AIって本当にうるさい。
いずれ人間のシゴトを奪う! なんて物騒な話も出るほどのデジタル化の嵐である。
そんな中、Z世代など若い子たちのアナログの世界が人気を博している。
まあ、彼らはいわゆるデジタル・ネイティブなので、むしろデジタル以外ってのが新鮮なのもわかる。
だから「エモい」なんて言葉が流行ったりするわけで、その進化の過程を見てきた年寄にしてみれば「何を今更」なのかもしれないが、彼らにとっては、新しい価値にすらなっているわけだ。
じつは同様の感覚が海外でも広まっており、例えばとっても便利なスマホにあえて抗う形で、アナログのテープや、ちょっと前のiPodなどが人気だったりする。
つまりは、なんでもかんでもデジタル化!って波に対するアレルギーがいよいよ顕在化してきたのかも知れない。便利は便利でいいけど、便利が最高ってわけでもない。
人気を博した昭和リバイバルドラマじゃないが、スマホなんざ、冷静に見ればただの「ヌルっとした板」で、可愛げもクソもあったもんじゃない。
画面をなぞるだけでなく、ボタンやダイヤルを回すという「入力の手触り」や、筐体のデザインそのものを味わうという側面がなくなって久しいし、例えば音楽や映像も、自分で買ったものをや好きなものをじっくり楽しむというアナログ時代の「自分中心感」がウケている。
そこにアメリカを中心にいわゆるサブスクや、アルゴリズムによる膨大な「オススメ」を無視しよう! という動きが増えつつある。
ちなみにDXって言葉は、2004年にスウェーデンのウメオ大学の教授エリック・ストルターマンさんが言い出したこと。実は20年前のワードです。思い起こせばスマホ前夜のあの時代です。やっと写メだなんだと言い始めたあのころ…。
確かにあの頃に比べれば、生活そのものがデジタルに相当侵食されているなあと思わずにはいられない。
古いiPodを久しぶりに使用してホッコリした気分を味わいながら、シゴトの事務的なことなどはDX万々歳だが、普通の生活からはちょっとずつ、いきすぎたデジタルは除去していこうと思った。
やっぱり物事はなんでも「ほどほど」が良いのかなと思った次第である。
それではまた近々。
A prestissimo!!