295 クルマよ、どこへゆく…。

テクノロジーの発達により、最近のスーパーカーたちの性能はとどまることを知らない。
500馬力でも相当な怪物なのに、最近じゃ1,000馬力なんてのも当たり前に見かけるようになってきた。

スーパーなので、それなりの数字が求められるのもわかるけど、1,000馬力もあると簡単に300km/hくらいは出せちゃうわけでしょ?
F1やWecでさえ300キロ台なわけで、果たして一般公道を走るクルマにそんな馬力が必要なのかと、本気で思ってしまう。

年寄りみたいで、自分で言っていてなんかイヤな感じがするけど、さすがにやりすぎでしょ? といいたい。

私なんぞが想像できるようなお金持ちを遥かに超えたレベルなら、そりゃあ1馬力でも多く時速1キロでも速く走れるクルマがほしいのかも知れない。でもね、1,000馬力って、もはや「大盛り」を通り超えて「メガ盛り」以上のビックリワールドに突入しいると思うんですよ。

↑©マクラーレン

例えば最新のマクラーレンW1は1,258馬力を謳っているが、正直どこを走っても楽しさなんかないんじゃないかと心配してしまう。(この先代となる720Sを公道で運転したが…。)

確かに数千マンのクルマが、信号で隣に出足で負けるとか、いちばん見たくないシーンであることは認める。でも、ほぼほぼ宝の持ち腐れだよ。
余計なお世話だけども…。ほんと。

プロレーサーだろうが誰だろうが、簡単に0-100km/hが2〜3秒というような恐ろしいパフォーマンスが発揮できちゃう。

YouTuberがネタにするくらいの賞味期限な感じもする。普通1,2回で飽きちゃうよ。

↑マクラーレンW1 〜本原稿の内容とは全く関係ありませんカッコいいクルマです。



自動車の持つ「特別感」ってのは、ひとえに「ひとを選ぶ」という点にこそ最大の価値を見出していた気がするが、これが、誰でもすごいことができます! っていった時点でスーパーカー自身の大事な「価値」のいち部分を否定してしまっているような気がする。

おまけに、実際に強烈なパフォーマンスを安全に実現するには、素材や構造、空力スタイリングにも最適解が必要とされる。

つまり、およそどこのクルマも同じような姿になっちゃう。(ディスってるんじゃなくて、仕方ないよって意味。)

人と違う一台を求めてこそのスーパーカーなのに、どれも似た感じになっちゃうという皮肉。

クルマ界の頂点に位置する種族なわけだから、もうちょっとベクトルを変えてほしいと切に願ってしまうばかりなんですが…。

お前が買えるようになってから言えって?
まあ、そうなんすけどね…。

それではまた近々。

A prestissimo!!