Bollito Misto vol.307
「慮る:おもんぱかる」
よくよく考えて、相手のためになる仕事をする…。
という意味なわけだけれども、この言葉をちょっと聞かせたい大企業がいる。
まもなく開幕する今年のF1グランプリの目玉の一つは、現役で史上最多勝を誇るルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍でしょう。
たしかに旬を過ぎたかもしれないハミルトンですが、それでも昨年は非力と言われたメルセデスで勝利を収めるなど、ベテランらしいウマさもみせてくれています。キャリアの有終を飾るための移籍でしょうが、そりゃドライバーなら誰だって跳ね馬のシートにおさまりたいはず。
最近公開されたフェラーリF1のチャンネルでも、彼の少年のような無垢な喜びに満ちた瞳を見ることができるが、ああ、やっぱりフェラーリってすごいんだなと改めて思うわけですよ。

新しい黄色いヘルメットなど、やっぱり彼のフェラーリに対するリスペクトを感じざるを得ないし、そういう部分にフェラーリというブランドの凄みのようなものを感じるわけです。
ここでようやく、本題に戻ります。
そんなフェラーリの今年のメインスポンサーはヒューレット・パッカードさん。
厳密には昨年のマイアミからスポンサード開始しているので、今年「も」というのが正しい。
露出で跳ね馬のロゴとHPのロゴが対等に並んでいるので、いかに大切なスポンサーなのかは想像に易いが、その契約金は年間1億ドルともいわれている。

でもさ、別にヒューレット・パッカードさんなんて、誰もが知ってる企業じゃない?
だったら、せっかくフェラーリの赤いボディに、なんでのうのうと自分のところのCIカラーを誇張しちゃうのか、まったくもって不可解でしかない。
まあ、ハミルトンのヘルメットにも白地が生かされているところを見ると、HPのCIルール(ロゴ管理規則)が極めて厳格であることがよくわかる。
せっかく大枚はたいてフェラーリのスポンサーになって、HPとしてもそれなりの費用対効果を考えているのに、これじゃあフェラーリファンが「あれさえなければかっこいいのに…。」なんてイイかねないくらい、フェラーリ感を損なってしまっている。

これは、もうちょっとうまくやるべきだったんじゃないかなあ?
双方にとってイメージ上マイナスだと思うんだけどなあ…。
せめて白抜きにHPと、赤ボディのじゃまにならない工夫で良かったんじゃないかなあ…。
と思う。
というわけで
もうちょっと、慮ってくれよHPさん。
大金払ってくれたHPさんを慮った結果のこのデザインという説もあるけど…。
コレジャナイ感満載の2025年のフェラーリ。 走る前からアップデートしてほしい。
それではまた近々
A prestissiomo!!