Bollito Misto vol.308
欧州、それも車好きの間で、粋人といえば元FIAT会長、ジャンニ・アニエッリと相場が決まっている。(完全なる個人的意見です。)
ファッション、ライフスタイル、生い立ちから業績、すべてに「カッコいい」という言葉がふさわしい欧州社交界の人気者。
渋沢栄一も偉いだろうが、カッコよくはない。(これまた個人的意見、ルッキズム多少アリ)
ボタンダウンシャツを、ボタンを外して着こなすとか、腕時計がシャツの上からとかいろんなファッションミーム的なものも有名ですが、とにかく、クルマを着こなす感じがすごくカッコいいのです。

まったくもって何様なのかわかりませんし、一体何目線なのかは全く不明ですが、なかなかこういう人はでてこない。
そんな彼の往時の愛車たちが、なんと今年4月のRMサザビーズオークションに出品されるという。
70年代初頭にコモ州のカロッツェリア、イントロッツィによって製作されたFIAT130ファミリアーレ。あえてのアメリカンテイストを持ち込んではいるが、素晴らしいバランスでまとめ上げられたデザインは、様々なイベントに登場していた名車だ。

©RM sotherby’s
籐製のルーフキャリアにスキーを載せて、サン・モリッツで使用されていたという話は有名である。
ちなみにこのワゴンはわずか3台のみの製作であり、一台は父親のウンベルトに、もう一台は友人のグイード・ニコラのために作ったといいます。ちなみに今回の出品車はジャンニ御本人のもの。30万ユーロは超えるだろうという予想がされています。ほしい…。

©RM sotherby’s
さらに、ランチア・テーマ6Vをザガートがステーションワゴンに改造したスペシャル。

©RM sotherby’s
後にピニンファリーナデザインとなって通常版のワゴンが登場しますが、その前段階ともいえる一台。リアにはZAGATO PLUSのエンブレムが燦然と輝いています…。これもほしい…。

©RM sotherby’s
他にも近年の最初期型パンダ人気の原因となった、サン・モリッツのスキー場別荘で使っていたという、最初期型の4×4も出品されるという…。
どれも日常のアシとして使っていたクルマたちですが、いずれも素敵なクルマたち。
何でも手に入る人なのに、それをしない。
粋人らしいアシたち。勉強になります。
うーん、マジでほしい…。
それではまた近々。
A prestissiomo!!