Bollito Misto Vol.245 ふとしたことで気がつく「言葉の変化」というものがある。 日頃の会話では気にならないけれど、サービス業の言葉などでときどきハッとさせられる。 ちょっと昔は、クセのあるイントネーションで 「いらっしゃいませ、こんにちは〜」 というコンビニでのお出迎えワードがあったものだが、今では聞かなくなって久しい。 一方で、レストランなどではよくこんな言葉を聞く。 「こちら、ミートソースになります」 まあ、目くじら立てるほどのことではないのだが、それなりに古い人なら 「これがミートソースになるんですか? ならば今はなんでしょう?」 なんて屁理屈を言う人もいるらしい。 「〜になります。」というのは、最近の若い人に 「〜でございます。」という言葉があまりにも馴染みがないからという話も聞いた。 うーん。馴染みがないじゃなくて、ちゃんと日本語勉強しろやって言いたいのは、も…
Bollito Misto Vol.244 今でこそエコノミーなレンジを受け持つフィアットブランド。 イタリアやヨーロッパではともかく、実は戦前には名だたる高級車メーカーだったことは日本ではあまり知られていない。 だからこんなタイトルを見ると「はあ?」となるのもわかる。 今でこそ、伊仏合体のステランティスグループ(本社はオランダ)のいちブランドだが、それこそ陸海空全ての分野で活躍してきた、欧州の巨人である。 今回ご紹介するのは、高級スポーツ筆頭、戦後FIATを代表する「8V(オットブー)」の特別バージョンだ。 その名も超音速を意味する「スーペルソニック」。カロッツェリア・ギアによる美しいボディを持つ、知る人ぞ知る傑作デザインの一台だ。 戦後すぐ席巻したアメリカンらしいデザインでありながら、イタリア車らしくスマート。エンジンもその名の通りV8を搭載し、当時としては十分にスーパーな性能と言える…
Bollito Misto Vol.243 日本車がイタリアのあのクルマに似ているなんてことは、昔はずいぶんとたくさんあった。 実際イタリアのカロッツェリアにお願いしてベースデザインをしてもらったことも多いので、当然っちゃあ当然なのだが、2020年代の今、そんなことはほぼないと言って良い。 しかし、今イタリアの車雑誌で、にわかに騒いでいる事案がある。 世界一のあのメーカーの新型車が、こともあろうに、あのクルマに似すぎていると話題になっている。 そのクルマとは…。 こともあろうか、彼の国の国民車フィアット・パンダだというのだ。 しかも、その似ているクルマが日本限定での販売だということで、さらに疑念を深められている。(そういう注釈までついて紹介されている) まあ、いまやどこの国のクルマもどんどん似かよってはいるのだが、なんだか久々に「アレ?」ってなるデザインには、流石のおおらかなイ…
Bollito Misto Vol.242 ご当地ナンバープレートが人気だ。場所によっては盗難が相次いだりしているらしいが、ものによっては確かに非常に面白いモノもあるので楽しい。ご当地だけでなく限定プレートってのもある。ワールドカップや五輪、万博などがそうだ。これも記念には非常にいいだろう。 そんな中、ふと見かけた新しいナンバーの告知。 あらかじめ言っておく。これは商品や企画をディスっているわけではありません。 ただ、あまりにも理解に苦しむ企画なのでちょっと触れてみたい。 それは、「全国版図柄入りナンバープレート(全国共通デザイン)」というもので、いわく、全国47都道府県の花をモチーフにしているそうで(一見すると47種類あるようには見えない)、「日本全体で立ち上がろう」という思いが込められているそうです。(国土交通省HPより抜粋) なんでお花なの? というツッコミはおいておいて、それよりも…
Bollito Misto Vol.241 アルファ・ロメオを語るとき、どうしたってアイコンとして登場してしまうのがTIPO33ストラダーレ。 スポーツマインドを標榜する、アルファ・ヒエラルキーの中の頂点に君臨する伝説のスポーツカーは、ことあるごとに「あの、ティーポ33の再来…。」という感じで使用される。 そんな伝説が、いよいよ2023年、満を持して登場するという噂があるのだ。 エンジンはジュリアやステルヴィオ・クァドリフォリオに搭載されるV6の2.9Lターボが有力とされているが、 なによりこの話の根拠になっているのがF1参戦の延長だという。 フェラーリやマゼラーティ、ランボルギーニがイタリアを代表するスポーツカーメーカーだ! と言わんばかりの状況が結構続いているが、アルファ・ロメオやランチアだって相当な名門である。 いや、むしろ筆頭といっていい。そもそも歴史が違う。イタリアで…
Bollito Misto Vol.240 実に昭和なタイトルだけど、実際イタリアでFIAT 500Eがブレーク中だという。 まずはドイツで大人気を博したこのチンクエチェントは、次いでイタリアでも街乗りの最右翼車種として注目を集めているという。そもそも同クラスのEVにしては、そのフィニッシュやデザインが高く評価されていた500E。 イタリアにおける自動車というものは、実際のところ生活の基盤であり、完全なる足であるのが基本。公共の交通機関が日本ほど発展していない欧州においては、やはり自動車がなければ生活は成り立たない。 ライフスタイルも日本とは異なり、生活に必要なモノを購入するためには、郊外にあるスーパーや家電量販店やショッピングモールに出かけるというのが一般的。二週間に一度とかの割合で食料品なども買いだめしている。 一方、週末は都市中心部に出かけ、イベントや老舗やハイブランドのウインドウシ…