「こんなモデルがあったらいいな、作って欲しいな」という願望がおそらく人よりも強いイタリア人。 いろんなモデルが噂を超えた妄想としてネットの世界に広まっていく昨今だが、ここに来て奇特なモデルが噂に上がっている。 それが電動FAIT126だ。 かつて日本にもポルスキフィアット(ポーランド製ノックダウン)の126が輸入されていたが、偉大なる先輩FIAT500の後を継いで1972年から91年まで製造された小型RRである。今でもイタリアの田舎町でたまーに見る。 やはり500の後釜としてはちょっと弱いのは世界が認めるところである。 偉大な先輩と比べるのはいくらなんでも酷な話だが、もう一つ後の大成功モデル、パンダと比べても、今度は中途半端さというか、暗さが目立つモデルだった。 一方東欧では上述のようにポーランド生まれということもあり、かなりの台数が活躍したという…
ネタとしてはもう随分前から世の中に出回っていたのだけれども、ここまでの流れからセンスの良いMODというテーマに則り、触れておきたいものがある。 今年2020年の初頭に、郵便局の配達バイクのアイコン、ホンダカブがEV化されるといったニュースが出たが、それを遡ること2年、2018年に一部マニアの間で話題になったのがレトロフィットキットによるカブの電動化だ。 Shanghai Customが開発しているのだが、30万そこそこで、今度は正直本家を上回るセンスの良さでMODを果たしていると、イタリアでも話題持ちきりである。 https://www.sh-customs.com/electric-bikes そもそもものすごい数のEVバイクメーカーがひしめく中国だが、そこんとこのノウハウを考えれば、こうしたレトロフィット作成など、技術的にはお茶の子さいさいなのだろう。 &n…
引きも切らず再生の話題の多いランチアデルタインテグラーレ。 今度はついに、電動化のキットが出るという…。 前号でMODはアリ! とのたまった私だが、インテグラーレのオーナー的にはさすがに電動化については????というのが正直な意見である。 先にも、イギリスでアストンマーチンDB6 Mark2が電動化されるだの、アルファのデュエットが電動だのと、まあ世界的には流行ってはいる。 今回このインテグラーレの電動化キット、その名もe-integraleというらしいが、そいつを送り出すのはフランスのラリークロスチームGC Kompetition。 その世界では名の知れた組織だが、オーナーも2017年のラリークロスチャンピオンという新進気鋭の会社だ。 新型コロナの影響は不可避だろうが、一応のリリースとしては2020年の10月には出荷できるようにしたいとのこと。 今…
特にアメリカで盛んなMOD。つまり改造。最近は日本でも徐々に広まりつつあるようだが、以前と違って、悪い感じではなく、改善的な意味での改造なのも流行の理由かもしれない。 前回ランチアを褒めちぎるにあたり、ややアルファをないがしろにしたように聞こえる発言もあったので、そこを否定しつつイギリスで話題のジュリア系のMODについて紹介したい。 英国のアルファホリックと聞いて、ご存じの方も多いかもしれないが、一応説明しておくと。いわゆるビンテージアルファのチューンナップパーツを取り扱うお店なのだが、個人的にはそのセンスの良さにいつも感心させられている。 些細なパーツから、Juniorのフルカーボンボディまで、実に幅広くそして細やかなラインナップが特徴。 なかでもボディパーツなどのダイアグラムをちゃんと載せるなど、愛に溢れた情報展開も好感が持てる。 センスが良いというのも、やはりむかーしの改造というと、…
世の中には星の数ほどランチアの魅力を語った記事があるので、いまさらここで書く必要もないほどだし、おこがましい限りだが、イタリアで暮らした日本人のいちランチアファンとしていくつかエピソードを紹介したい。 ランチアはの魅力は、その控えめでありながら、強い主張があるというアンビバレンシーにある。 エレガンテでスポルティーバ。 ある種イタリアの価値観の最上位にあるこの2つを兼ね備えるのはランチアなのだ。 これはあくまでイタリアでの議論の例なのだが、例えばフェラーリといえば新参者。もしくは派手で煩い車で切り捨てられる。 もちろん嫌いじゃないし、F1も応援する。ピニンファリーナの流麗なボディは、美しい女性に勝るとも劣らない魅力があるのも事実だし大いに認めている。 しかし、果たしてそんな彼女と結婚するかという問題になると、「乗るならランチアだ」という向きはフェラ…
Lanciaといえば? 今の世の中、現地イタリアではイプシロンこそがランチアってことになって久しい。 それが悪いってわけではないが、やはり寂しい。今は亡きセルジオ・マルキオンネFIAT代表が嫌いだったのか、本当にこの30年ほどは不遇が続いている。 いま、ランチアといえば旧車好きならデルタだとかストラトスの名前が上がるだろうが、もちろんそれは紛れもない真実としても、現地のマニアやいわゆるクラッシックカーファンの間じゃ「Lanciaを語るならFIAT時代はやめとけよ」という流れもあるのは事実。 つまり、69年以降のランチアブランドはフィアット傘下に入ってからのものなので、本当のランチアではないという流れが、真正ランチアファンの間では一つの常識とされている。 ここではあえてランチア原理主義と呼ぶが、それでいうと、フェラーリやアルファなんかも同様。頭では理…