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いつからか、日本ではクルマのことをモビリティと呼びたがる風潮が蔓延している。 このいつまでたっても耳になじまない言葉は「のりもの」という意味だが、正直広告代理店やムダに意識の高いメーカー担当者の自己満足でしかないことは、いまさらここで言うことでもないかもしれない。 結局のところ自動車であり、クルマなわけだ。いまさら呼び名を変えるムダに、小馬鹿にしたい感情が生まれても仕方がないと思うのだがどうだろう?だいいち、言いにくいしね。モビリティだなんて…。 電気で動こうが、アブラで動こうが、クルマでいいじゃないか。わざわざ新しい単語出すなよなと本気で思う。業界内だけで言っていてほしい単語の最右翼だ。 まあ、それはおいておこう。 イイタイコトは、クルマってのは便利で頼りになる人間の心強いサポーターだってことだ。それが可愛ければ微笑ましいし、力強ければ必要以上に頼りになるし、速いのであれば、…

自動車文化の深みを体験できるのが、欧州の蚤の市。 パリやドイツ、イタリアなどで週末の過ごし方の一つとしてメジャーなイベントとなっている旧車ショー。 こうした「クルマとの付き合い方」を日本にも広めようとスタートした「Automobile Council」。発足前から微力ながら協力させてもらった経緯もあり、毎年足を運んでいる。 昨年の4月はまだコロナ禍によるマスクの自主規制があったので、実質今年が本当のコロナ後初の開催になったともいえるだろう。 欧州に暮らしていてイチバン感じるクルマとの距離感としては、自動車には2つの側面と捉え方があると思う。 もちろん、日本でもそういう感覚を持っている人がたくさんいると思うが、ひとつは仕事や通勤のアシとしての存在と、もうひとつは自分や家族との楽しい時間をともにするための趣味のクルマという側面だ。昔の表現で言うなら、「クルマの達人」とか「遊びの達人」という言い…

わたしはアニメだオタクだマンガだと騒ぎ始めた最初の方の世代に属する方だが、最近では映画興行成績のNo.1がアニメだったりと、もはや日本の主力産業と言ってもいいくらいのパワーをもちあわせている。 日本の文化を伝えるなんてだいそれた話をしている時期もあったけれど、実際のところは「日本の優れた才能と豊かな知識をもつ情熱家が集まる分野」というのが正しい気がしてならない。 人気漫画をよく見ると、実にシブいクルマが登場していたり、マニアがニヤリとしそうな有名映画のいちシーンがオマージュされていたりと、実に幅広い世界からの知識が蓄積されていて楽しい。 活字がメインだった時代(いまは果たしてそういえるだろうか?)には芥川賞だの直木賞だのと権威ある賞が並ぶが、もうそろそろ手塚賞をもっと権威あるものにしてもいいだろう。 だって、オスカーだって取りかねない勢いなわけだから…。なんなら、世界中のアニメーション制作…

最近、すっかり本を読んでいる人をよく見かける。 特に若い人たちだ。 ジブンの話をしてしまうと、すっかり目が見えなくなってきたくせに(老眼)、荷物を持つのが嫌だから、ついついスマホでいろんなコンテンツを見てしまう。 電車の中で他の人がなにをしているのかを見てみると(失礼ながらいろいろ観察してしまった)、ほとんどがゲームかSNS。あとはニュース関連。連絡の必要があるときはSNSはとても便利だと思うが、他人が何していようが、正直どうでもいい。ついつい目を通してしまうネットニュースなど、ちょっと冷静に考えれば、実にひどいネタや内容、文章だったりするのになぜか惰性で読んでしまっている。 つまり、スマホが浸透してからというもの、実はかなりの時間を惰性によるコンテンツ消費をしている気がしている。 ニュースや写真、動画は、気づけばどこの素人かわからない連中が作ったものがはびこっている。 そりゃ、「ありがた…

レトロモビル報告の続編第二弾。今年の目玉展示というと、ダカールラリー特集。 参加経験のあるメーカーはゆかりのマシンを並べただけではなく、それ以外にも代表的な車両が特別展示されていた。昭和のおっさんにとっては通称「パリダカ」で有名な過酷極まりないラリーだ。 1978年からスタートし、世界一過酷なモータースポーツと呼ばれたこのラリーは、三菱のパジェロが優勝したり、俳優の夏木陽介さんが出ていたのを思い出す。 何が過酷だって、パリをスタートしてバルセロナからアフリカへわたり、セネガルのダカールまで走る12,000キロを走るとかって、ほぼほぼクルマとバイクのマラソンともいえるような道程が何にも増してインパクトがあった。いわゆるひとつの男のロマン的なものだろう? ところが、度重なる事故や事件があり、やがてゴールがダカールじゃなくケープタウンになったり、果てはアルゼンチンのブエノスアイレスからチリへのコ…

さて、今回のメインであるレトロモビル。年々集客も増加しているようで、豪勢化の一途をたどってきたこのショーだが、なんといっても夢の車たちが一挙集結するということもあるので、やっぱり楽しい。 個人的に大好きなETC(ヨーロッパツーリングカー選手権)時代のレーシングカーや、数々のプロトタイプなんかが登場するこのショーは、やっぱり今年も大盛況だった。木曜の初日から「お前ら仕事はどうした?」と言いたくなるような様だった。 現地でちょいちょいお仕事もあったので、初日の3時くらいまではあまり会場を巡れなかったのだが、それでもいろんなクルマたちが目白押し。 やはり、レトロは楽しい。 個人的にはルノーの5が復活するので(名前だけ)、それが楽しみだったが、本体はモックのみ。そこから判断するに、私の知っているサンクには全く似ても似つかぬ姿なので、正直がっかりしたのだが、ここのところ演出のダサさが目立ったルノーに…