去る8月末、フェルディナンド・ピエヒ氏が亡くなった。 ポルシェ博士の孫にして、VWグループの総帥。御年82歳だった。 ここでドイツ車ってのもおかしな話かもしれないが、実はそんなことはない。 ランボルギーニやブガッティなど、名だたる名ブランドが今も存在し続けるのは、まぎれもなく彼のおかげ。 現在のAUDIがあるのも実は彼のおかげ。もっというと、今のポルシェのブランドだって彼のおかげ。初代VWゴルフがジョルジェット・ジウジアーロによってデザインされたのも、彼のイタルデザインが最近VWグループに売却されたのも、すべてピエヒさんが関係している。 詳しい話はカーグラフィックやその他専門誌でぜひお読みいただきたい。近代自動車業界における大物中の大物の一人なのである。 そんな大物が優秀な経営者なのはいうまでもなく、同時に厳しいことでも有名。私のよう…
いよいよパンダが生まれ変わる。 初代以降、モデルチェンジのたびに悪口を叩かれてきたパンダだが、 実際の使い勝手は常に向上してきていた。乗れば良い車だし、どの時代のモデルも生活のアシとしておしゃれに使えばオシャレになるという、実はよくできた車たちだった。 もちろん、初代のジウジアーロデザインの秀逸さに届いているかといえば、さすがに個人の好みの問題としか言いようがないが、そのかわり高速性能やエアコン、安全性能などは飛躍的に向上した。 そんなパンダがいよいよEVになる。まあそうでしょうね。世の中の流れとしては。 本国イタリアをはじめ、EU各国としては、EVであるだけで走行できる時間や場所が飛躍的に増えるので珍重される傾向があるが、一方でコストにみあうだけの利便性があるかというとまだまだ疑問視されている。 具体的には充電時間と走行距離である。やはりまだまだ…
ピンク・フロイドが大好きな私は、そのギターであるデイブ・ギルモアも大好きだ。 日本ではいにしえのプログレバンドとして有名だが、世界的には究極のビッグネームであり、いまだにさまざまなCMで使われたり、無数のコピーバンドが存在する。 私が高校生の頃、70年代初頭にリリースされたアルバム「The Darkside of the Moon」がBillboardのTOP100に400週を超えてランクインし続けていたりするような、ロックとして生きながら、すでにクラッシックに突入しているのではというようなモンスターバンドがピンク・フロイドなのである。 ここ数年、キーボードのライトさんが亡くなったりして、完全な形での再結成が不可能になってしまったが、いまだ活動しているギタリストのデイブ・ギルモア氏が、なんと彼のトレードマークであるギターをはじめ、すべ…
出版不況が嘆かれて久しい。 紙媒体だけではない、TVやラジオも、「今は世の中インターネットだからねえ」などと、弱腰な言葉ばかりが聞こえてくる。 かつて、ネット前夜の時代ではあったが、少なくともバブルのちょっとあとくらいまでのころは、オーソリティといわれる専門誌から、新しく刊行される雑誌まで、とにかく発売日が楽しみだったし、読めば「なるほど!」と唸らせられることしきりだった。でも、すべてが新しい情報ばかりだったかというと、決してそうじゃない。新鮮な食材だけが美味しい料理の秘訣なのではないように、やはりきちんと料理されたものこそが美味しいのだ。 暗に今の編集者を批判しているのかというと、そのとおりだ。 どの業界もみんながみんな殺伐としているかといえば、そんなことはないと思う。 例えば音楽雑誌。名門のSM社さんをはじめ、いまで…
一台9000万円、72台限定でなんとあの「デ・トマゾ」が復活した。 ブランドの宝庫イタリアからまたまた名門ブランドが甦った。 え、「デトマソ」でしょ? といわれそうだが、「デ・トマーゾ」が正しい。なので「デ・トマゾ」。 ここでは世紀の発音と表記でいかせてもらう。 最近では70年代のスーパーカー、パンテーラが高値を更新し続けているが、そうゴージャスな感じのなかったデ・トマゾも、ここにきて時代の流れに乗っているのか、ウルトラゴージャスになって生まれ変わった。 全く個人の意見だが、テスラ4なんかよりは、こっちのほうがはるかにインパクトが強いし、マーケットでは受けると思う。 アシと車ってのはまったくの別物になっていくこれからの世の中を考えると、やはりこうした「昔の名前で出ています」というのは、あながちレトロなだけではないと思うが…
もちろんアバルトが最も有名なFIATチューナーであることに異論を唱えるものはいないだろうが、GIANNINIというローマのチューナーの手によるFIATたちが、ときにABARTHをも上回るパフォーマンスを持っていると知っている者は、日本にはそういないだろう。 夏を目前にしたこの時期、イタリア各地で週末は様々なイベントで盛り上がるのだが、ちょっとした草レースなどもその一つ。例えばワインの産地としても有名なトスカーナでは、草ラリーなどもさかんだが、そこでまさにブイブイ言わせているのがジャンニーニたちなのだ。 ポルシェ911などに混じって、強烈な勢いで走り抜けていく可愛らしいFIATたちなのだが、事実腕の差があるとポルシェすら食ってしまうほどのポテンシャルを見せることもある。なので、実際イタリアの車マニアとの飲みの席などでは「ジャンニーニなんすよね…。」というと「むむっ」…