「Retromobile」
パリの自動車イベントに来ている。
それもパリ・サロンでなく、レトロモビルにだ。
テロがらみで物騒なことになっているパリだが、ちょいと別件の仕事があるので二年ぶりにフランス最大級の旧車イベントにやってくることとなった。
なぜ、そこまでしてこのイベントに遥か遠く日本から出かけるのか?
そりゃ答えは単純。楽しいからだ。
日本で想像する自動車のイベントとは違い、いつも何かハッとさせられるところがある。
その名前からも容易に想像することができる「レトロモビル」は旧いクルマを主とするお祭りで、今年で実に40回目を迎える伝統ある行事。
会場はパリ・サロンがおこなわれるほどの大きな会場を使うので、その規模感がわかって頂けると思う。
また、その模様や目玉が連日テレビでも内容が報道されたりと、一般と自動車との距離感の近さが如実に感じられるところが日本との違いか。
会場は、毎回異なる目玉展示。各メーカーのファンクラブのブースや、とてつもないプライベート・コレクション。レストア車輌を中心とした販売用の車輌。果ては一体何億の値がつくのかわからないようなスーパーオークション向けの車両展示もおこなわれたりする。
また、そうした旧いクルマを維持するための、様々な部品屋さんやミニカーやポスターやカタログといった小物類がごった返す。
近年、特にこうした旧車の人気が再燃しているせいで、特にフェラーリ、アルファロメオ、ポルシェ911を筆頭とする様々な「ドル箱」が所狭しと並べられているが、そういった背景にあって、例えばポルシェ社として70年代のルマンカー917や936などを能書きをつけて展示し、さらなる伝説を煽っているところなど、メーカーにとってもいかに重要なイベントとして捉えているかが伺える。
GTIの復活で賑わう地元プジョーも205GTIターボ16をはじめとしたヘリテイジものをキチンと展示し、メーカーのブランドを明確に誇示している。
とにかく、平日だというのに世界中から多くの人が訪れる、欧州でも最大級のイベントなのだ。
こうしたイベントが、いわゆるモーターショーより楽しいのは、やっぱり、車好きの車好きによる、車好きのためのイベントという面が如実に伝わるからだろう。
そんなわけで、しばらく欧州からのライブ・リポートをしたいと思う。