ランチアがその存在自体を危ぶまれて久しい。
フィアット(クライスラー)グループの総裁、マルキオンネ氏のアメリカ式経営の概念にすれば、ランチアはただの売りにくいブランドになってしまっているのか…。
彼に追い出された形になった、イタリア、いや欧州きっての人気者ルカ・ディ・モンテゼーモロがフィアットグループの総裁についた時、彼が出した新聞広告にはランチアのエンブレムが中心を飾っていたものだ。
イタリア国内、いや本場トリノでもイプシロンやデルタを見かけるケースはどんどん減っており、ランチスタとしては非常に悲しい現実に直面している。
華美でない高級車。
その概念は今の時代にこそふさわしく、本来ならランチアこそがその本命としてスポットライトを浴びるべき存在だが、その役割はすっかりとアウディに奪われてしまっている形だ。
さて、経営に関わることなので我々外野がとやかく言ったところであまり大きな影響を及ぼすとは思えないのだが、最近、いや厳密には昨年あたりからイタリアで話題になっているランチアに関わる話がある。
「デルトーネ復活」
デルトーネとは、日本でいうランチア・デルタ・インテグラーレ・EVOシリーズのイタリアでの愛称。
そう、名門の悲劇的な状況を見かねたモデナ在住の熱烈なデルトーネファン、アンジェロ・グラナータ氏が、「あったらいいな!」のオリジナルデザインをおこしたのだ。
S4やエボシリーズのいいとこ取りな感じで、実にまとまったデザインではないだろうか?
その名も「EVOlzione GT Concept」。
まことしやかに2016年に実体化されるとまで言われているが、こうした動きはイタリア人の自動車愛だからこそ生まれるのか。
本来ではありえない道筋で生まれた噂ではあるが、本家の体たらく、多くのファンたちの熱い思いを是非ともイタリア人の沽券にかけても実現して欲しい。
また前人未到の6連覇を果たしたWRCにマルティニカラーを纏って、ランチア健在を高らかにうたい上げて貰いたいものだ…。
それではまた近々
A prestissimo!