リバイバルブーム?
マツダ・ロードスターとプラットフォームを共有し、30年ぶり以上ともなる間をあけてフィアット124スパイダーが復活するのはすでにお伝えしたとおり。
さらにはバブル期に登場しながらも、本国イタリアではまずまずだが、バブル後期の日本では、極めて地味な活躍にとどまったTIPOも復活するとか…。なんでコレが今なんだろう…。
そんな中、2,3年前から同社の70年代ドル箱ファミリーカー、127が復活するという噂が絶えない。断っておくがあくまで噂である。
あまり知られていないが1971年の初代欧州カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたこの127は、それまでの主力、後輪駆動の850に代わってデビューした。
あ、ちなみに偶然にもTIPOも89年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーだった…。
パイロット版としてすでに登場し、好評を博していたアウトビアンキA112と基本的な部分を共有しながらも、より広い室内空間を確保したれっきとしたファミリーカーは、あっという間にイタリアの一般家庭に浸透していった。ある種究極の「これでいい」というサイジングとパッケージングで、一世を風靡した。地味ながらも。
実は私、この初代127をイタリアからわざわざ個人輸入して所有していたことがあり、その出来の良さに驚いたことが昨日のように思い出される。(今でも友人が乗り続けてくれている。)
いつもながらイタリアのファミリーカーに乗ると感心するのは、とにかく楽しい空気に満ちあふれていること。
理路整然と説明せよといわれても、なんだか楽しいとしか言いようのない内装デザインや色合い。とにかくあの雰囲気は、一度体験してくださいというしかない。
シンプルなパワートレインに、腕次第ではかなり攻めこむことも可能な秀逸なサスペンション、粘るトルクと大衆車にしてはピックアップが鋭く、なかなかに吠えてくれるエンジンのおかげで、運転のイロハはかなり身につく、まぎれもない名車である。
ずいぶんと昔、まだリラだったこと学生時代にはじめてイタリアに行って、仲間のパーツを探しにトリノ近郊のクルマ屋街やらジャンクヤードを巡っている時に、ひとり127に興奮する日本人の若者に、「そんなにほしいならお前のウォークマンと替えてやる」とまでいわれてびっくりしたものだ。
一時期は本当にゴミのように捨てられていたり、裕福とはいえない移民達の足として活躍していた。
それが、ここにきて「やっぱりアイツ、良かったよなあ…。」となっているのだから面白い。
個人的にはかなり思い入れのあるクルマだけに、是非とも復活して欲しいのだが、果たしてVWのスキャンダルを好機とばかりに、昔の名前シリーズで討って出るのだろうかマルキオンニ大将…。
でもナンバー系とペットネーム系が混在するのはどうなのよ?
それではまた近々。
A Prestissimo!!