前々回ご紹介したイタリアの若き政治家たちだが、早速いろいろと不具合が出てきているようだ。
日本を例に挙げるまでもなく、やはり大人の世界というのは「ドロドロ」としたもので、イタリアも映画「ゴッドファーザー」を例に挙げるまでもなく、その最右翼に位置する国の一つであるのはご承知かと思う。
正義感や正論で渡っていけるほど世の中は甘くなく、かといって闇から闇へだけでも成り立たないというのが「人の世」の現実。
実のところ「ほどほど」こそがよろしくやっていく上でのポイントなのかもしれない…。
話を前々号で紹介した女性初ローマ市長、ラッジ氏に戻そう。
彼女の「正義感」溢れる行動がいよいよ危険地帯に入りつつあるのだ。
そもそも彼女の所属するチンクエ・ステッレという政党は典型的左派に分類されるわけだが、より良くするために新しいことに挑戦…。というか変えていくのを命題としている。
一方で洋の東西は問わないのだが、変えるのはいいが「…なので、こうします!」が実に弱い。ある局面では「変わる」ことによる期待感を膨らませる一方で、実態が伴わない結果に終わってしまうことも多々あるのは我が国でもつい最近経験したばかりだ。
その彼女、ローマの五輪立候補取り下げしたばかりだが、なんとゴミ処理事業やバスなどの公共事業にはびこる(はびこると言っちゃまずいか?)「不正らしき」ものにメスを入れたのだ。
ゴミ処理って…。数年前のナポリを例に挙げるまでもなく「その筋の方」が力を持っていらっしゃる領域。
あと、バス会社にも実は幽霊社員がたくさんいて…。
それでも無事に回っていた事を止めてしまったもんだからさあ大変。バスは止まるは、ゴミ処理は止まるわ…。
無言の圧力というか、これは正論だけでは渡っていけない「何か」にぶつかってしまった事を意味している。
じゃあ、次、何が起こるのか?
ローマの人々は戦々恐々だと聞く。
世の中には不都合な真実がたくさんあるからこそ「大人の対応」が求められているのも事実。彼女、ちょっと血圧上がりすぎたのだろうか?
市議会からも離脱者が続くらしいローマ。
政党の支持が下がるだけで済めばいいのだが…。
「キジも鳴かずば撃たれまい」という言葉もありますので…。
あ、ちなみにシチリアと本土との橋など言語道断と拒否を続けていた若き首相レンツィも、つい先日「橋…。作りますか!」的な発言に翻った。
うーん。まだ若かったか?
それではまた近々
A prestissimo!!