前回に引き続きパリサロンのお話を。
かつて5大モーターショーと呼ばれたパリサロンも、日本の東京モーターショー同様Aショーと呼ばれたその座を中国のモーターショーに奪われている。
AとB、具体的な違いは、ショーに各メーカーの役員が来訪するか否か。これが実は大きな違いがあることは想像に難くないだろう。市場原理主義なのでそれは仕方のないことなのだが…。
さて、そんな政治の話はさておき中身に触れたい。
基本は新車の発表会場なわけだが、毎回そのトレンドというのは変わっていく。
ドイツをはじめとするユーロ規制の煽りを受けた欧州自動車界にとってEVへの転換は急務。もちろんドル箱市場である中国もそのユーロに準じているわけだから、各社がEVに対する動きを見せるのは当然のことである。
殆どのコンセプトカーがなんというか未だに電気ということで、やたらと白や青などの蛍光色っぽいカラーリングの、電動歯ブラシのようなデザインになりがちなわけだが、そんな中、「ぶっちゃけ電気で動けば、あとは質素でいいっしょ?」的なシトロエンのEメアリが注目されていた。
70〜80年代のシンプルなバギーというか、遊園地の乗り物的な簡易な内装は先代譲りとしても、2万ユーロという低価格と、気軽さを絵に描いたようなクルマこそ、これからのEVにふさわしいのかもしれない。
もう一つのキーワードはお約束の「コネクト」。
各社いろいろ出しているが、結局のところネットに繋がる機能を持ち合わせたクルマということなので、これまた市場的には「まあ、スマホとうまくつながってくれればOKです。」というような感じがありありと出ていて、そこんとこに今の自動車業界の葛藤が見て取れる。
不況は人々の目を厳しくし、実際に必要な機能や性能についてはこれまで以上に厳しくなる。その意味で消費者のためのショー、パリサロンは、今年も猛烈な熱気に包まれていたのであった…。
それではまた近々!
A Prestissimo!!