今年は例年と異なり、トリノが先でパリが後という日程。
その影響があったのか、なかなか大きな変化が見られた。
規模では比べるべくもない両者だが、人気のブランドを多く抱える本場トリノで「掘り出し物」を期待していた人間としては、実に寂しいことになってしまったのだ。
旧車の価格が年々上がっていることは、何度も何度もご紹介したとおりだが、完全にビジネスという観点からすると、たった数日しか間が空かないこの2つのイベントで、どちらに出品したほうがいいか? という問題には議論の余地さえないだろう。
かつては王国と言ってもいいほどすばらしいメーカーやカロッツェリアが濫立していたトリノ。ここで生まれ、大事にされてきたカスタムカーは数多く、黄金期ともいえる50年代後半から60年代後半までのクルマたちのオーナーがそろそろ寿命ということで、多くの掘り出し物があったのも事実だ。
しかし、そんな「美味しい話」をみすみす業者が見逃すはずもなく、多くの素晴らしいタマが海外へ流出する事態が発生している。今回特に見どころでもある地元ランチアのタマが激減していたのが印象的だった。
そんなわけで今回のトリノでは、ヤングタイマーを中心に少々マイナーかつ、今現在は人気のあまりないモデルが散見されたに過ぎない。
とはいえ、ちょっとしたレアカーや、細かいパーツでは依然として「本場の貫禄」があるので見逃せないことにはかわりないのだが…。
そんな悲喜こもごものトリノアウトモトレトロだった。
それではまた近々!
A Prestissimo!!