存外といえば失礼か。想像以上に面白かったロシアでのサッカー・ワールドカップが終了した。
前評判の高いフランスが優勝し、全く評価されていない日本がベスト16にまで勝ち進んだ。
すったもんだがあったものの、結果としてはまずまずの成績を残し、内容もそれなりに評価できるものだったのは嬉しいところ。
個人的にはちょっと気になる点もあったが、やはり多くの有識者も言っているように、後進世代への刷新と若手の育成こそが、これからの大きなポイントなんだろうと実感させられた大会だった。
ところで、イタリアが今回のワールドカップに出場できなかったのはご存知の通りだが、彼の国ではどんな捉えられ方をしていたのか?
もちろん、ニュースとしては日々ワールドカップの激闘の様子が報じられていたが、皆一様に「無関心」を装っていたことは間違いない。ただ一つの試合を除いては。
その試合とはドイツがグループリーグ敗退を決めた韓国戦だ。
国営放送のRai1のラジオでは「なんと、ドイツがグループリーグで負けたらしい…。」
「それも、韓国にだ。」
「負けたね〜、ドイツ…。」
「うん、韓国に…。」
「俺らもそうだったね、まあ、俺たちは決勝トーナメントで負けたんだけども…。」
「俺ら出てもいないしね…。」
非常に印象的なやりとりだった。もちろん、2002年のワールドカップで韓国に疑惑の判定で負けたイタリアというのも相まって、今回のドイツの敗退に限っては、ちょっとビミョーな対応をしていたのが印象的だった。
ちなみに、イタリア語でワールドカップ敗退したときに使う表現は
「Torna a casa(ウチに帰る)」
彼らのワールドカップに対する考え方が伺える。やはり、戦場なのだ。敗者はとっとと帰れ! といわんばかりの表現は実にイタリアらしい。
出発時とはうってかわって歓迎ムードでウチに帰ってきた我らが日本代表。
いい意味でこれからの未来に向けて真剣に向き合うときが来たのかもしれない。
どんなサッカーを標榜しようが構わない。その時その時の選手たちに委ねられるものだから。それがパスサッカーだろうが、素早いカウンターだろうが、方法論はどうでもいい。
今回の優勝国フランス同様、「勝つことを目的とする」という点に執着し、文字通り一致団結して、チーム、そして協会を含めた「国全体」という意識を持って、4年に一度の戦場で勝ち進んでほしいと強く思う次第である。
それではまた近々
A Prestissimo !!