煽り、あおり…。言葉の意味としては、左右に大きく揺するといった行為。主に風や勢いに対して使う言葉だ。
「あおってんじゃねえよ!」
というのは、なんだか昭和の暴走族のワードだったような記憶がある。
「あおり運転」となると、他の車やドライバーに対して威圧感や恐怖感を与える運転…。というようなフワフワとした定義がなされている。
いよいよ、2020年6月30日から、あおり運転厳罰化が法制化された。
そもそもこの「あおり運転」なる言葉が一般化したのは、ちょっと前に世間を騒がせた、高速道路上での高級SUVに乗る男による暴力沙汰事件が発端だと思う。
なかなかにスリリングな動画が紹介されたので、このことは記憶に非常に鮮明に残っている。今でも白いドイツのSUVを見るたび「近寄るな!」と冗談を言うくらいだ。
とはいえ、別段その加害者を養護するわけではないが、おそらくはきっとキッカケというか理由があったんだろうと思ったのも事実。もちろん彼の場合余罪というか、ほかにも素行不良があったからこそ今回の晒し者的な報道で裁かれたのだろう…。
余談だが、もう数十年も前に、知人の兄が夜明け前の高速道路上で文字通りチンタラ走っている車に進路を塞がれ(厳密には、追い越し車線でありえない低速で走っていたそうだ)、パッシングライトとクラクションで進路明け渡しを要求するも無視、もちろん遠くからそんな事するはずもないので車間距離も詰め、それでもどかないので左から抜くと、今度は、その車が彼の車を追い回し、前方で急停車…。(どこかで見たことのあるシーン?)
中からは絵に書いたような「怖いお兄ちゃん」が登場し、トランクからゴルフクラブを取り出し猛然と向かってくる…。
やおら友人の兄は、車を飛び出し、高速道路上で土下座をして大声で「す、すんまへんでしたーっ」と、高校野球で鍛えた大声で渾身の詫びを入れると。
「抜いたらしまいやろ、いちいち絡んでくんな!ボケェ!」
と怖いお兄ちゃん。(昭和のチンピラをご想像ください)
追い越し車線を走り続けていたという点ですでに怖いお兄ちゃんがアウトなんだけど、友人の兄も、同様に追い越し車線を突っ走っていたわけで、厳密に言えばどちらもアウトなんですが、怖いお兄ちゃんの言うことにも、少々道理はあります。
さっさと抜いておけば、急ぐ友人の兄も余計なスリルを味わうことなく目的地についたでしょうし、怖いお兄ちゃんも余計なリスクを負う必要もなかったでしょう。
これは数十年前の話ですが、仮に現在、「怖いお兄ちゃんのような人」が車を降りてその場で絡まず、パッシングの動画を元に、「これがあおり運転の証拠だ」と脅してきたらどうしましょうか?
何にせよ、「君子危うきに近寄らず」という言葉と考え方こそが今回の法改正に対する正解なのかもしれませんね…。
それではまた近々…。
A prestissimo!!