最近パンダやら、デルタやらを取り上げてきたが、特にバブルの頃活況だったイタリア車事情において、主に当時の20代などの若手にまずまず注目されていたのが、ルノー5ターボ、プジョー205GTI、そしてこのウーノターボだった。
ルノーやプジョーはちょっぴり高級というか、80年代なかばまではラリーカーとして一世を風靡していたので、なぜか日本では格上感を醸成していた気がする。
一方ウーノといえば、これまさにファミリーカーのど真ん中という印象が強く、たとえターボで時速200キロ出ると謳って入るものの、チープな内装(初期型はやたらダッシュ周りがガタついた)や、結果的にちょっとだけ安い価格などいろんな要素があって、少々格下感があった。
それにつけても、今から考えるとバブルというのは、本当にキラキラ、フワフワしていて、たかが学生の私ですら、当時はこれら三台のカタログと真剣にニラメッコし、ローンの算段を組んでいたものだった…。「あー、やっぱりウーノが現実的かあ…。」などと、随分な高飛車だったことをよく覚えている。
そんなウーノのモデルイヤーは83年から95年まで続いたのだが(イタリアでの話。ブラジルなどでは長いこと作られた。)、その後はすごいスピードで姿を消していった。イタリアの大衆車は、特に地方では息が長いのが特徴的なのだが、同時期のパンダと比べるとあまりにも早く姿を消したのはいったいどうしてなのか今を持ってわからない。
個人的には89年後期のフェイスリフト版よりも、断然初期型のファンなので、今見てもさすがジウジアーロといった感じがするのでとても好きである。(上のモノクロは後期型)
今じゃイタリアのどんな田舎町でも見かけなくなったウーノだが、ここに来てターボモデルが本国イタリアで高騰している。
そもそも、空飛ぶ棺桶とかいろんなことが囁かれるような、暴れん坊のターボくんだが、当然ながら魔改造のベースとして一定の評価をこれまでも受けていた。しかし、それはあくまで安いからできた話であって、今回の高騰とは結びつきづらい。
ちなみに現在のイタリアでの相場が180万円ほどもするのだ…。
ちょっと考えられないというのが正直なところである。ひょっとしたら日本の方が安くてイイ個体が残っているかもしれない…。
乗れば痛快なウーノターボだが、やはりイタリアの若者たちもコロナのストレスが半端ないのだろうか?
それではまた近々。
A prestissimo!!