EURO2020が、大方の下馬評を覆しイタリアの優勝で幕を閉じた。
日本は今まさにオリンピックで大盛り上がりなわけだが、実はこのユーロのイタリア優勝はかなり大きな出来事なのだ。もちろんイタリアにとってはの話だが…。
サッカーにご興味のない方には申し訳ないネタなのだが、実は実績ベースでいわせていただくと欧州最強の実績を誇るのはイタリアだ。ワールドカップだって4回優勝している。ドイツだろ?って声も聞こえるが、対ドイツでも強さを発揮するのはイタリアだ。
多くの戦術についても、実はイタリア発祥が多く、以前ここでも触れたことがあるが、イタリアには戦術オタクが極めて多いのだ。
そんなサッカーイタリア代表。
W杯第一回大会こそ不参加だったものの、第二回三回と連続優勝。
戦争を挟んで不遇の時代を迎えるものの、1970年には準優勝。1982年には歴代最強とさえいわれるブラジルを破って優勝。
ちなみに1990年は地元開催のワールドカップだったのだが、その総合ディレクターはかのルカ・ディ・モンテぜーモロ。元FIATグループの総帥の彼が担当している。
開会式には多くのイタリアファッション界の巨匠によるコスチュームを纏った女性たちが彩りを添えたのは今でも語り草である。
組み合わせこそ残念な大会で、惜しくもあのマラドーナを擁するアルゼンチンに破れ3位。イタリアのクルマもファッションも元気だったこの頃だが、当時のイタリアサッカープロリーグも大いに盛り上がっていた。
94年灼熱のアメリカ大会では激闘の末、決勝でPK戦の末ブラジルに敗れ準優勝。その後も優勝を逃したが、2006年に再び優勝している。
いつもここで言わせて頂いているが、イタリア人の底力というのはものすごいものがあり、あくせくせずに結局のところ美味しいところをもっていけるすごみがある。ニコニコしていて陽気なのに、ここぞという一番で底力を発揮するのだ。
ただ、あまり言われていないが、故郷から離れすぎると寂しくなる傾向がある。ちなみに第2回大会は地元イタリア、第二回はフランス、82年の11回大会はスペイン、2006年はドイツ。いずれもご近所開催である。
ちなみに今年のEURO2020は欧州11都市での分散開催。イタリアは予選3試合すべてをローマで行い。決勝トーナメントも、ロンドン、ミュンヘンという飛行機2時間以内のエリアで行っていることが関係していることは事実だ。
ここまで上げておいてディスっているように聞こえたかもしれないが、そうではない。いまのアッズーリ(イタリア代表)は実に強い。
ロベルト・マンチーニ監督は就任後いまだ不敗である。見ていてもすがすがしく、ガッツ溢れるプレーに満ちあふれている。
この不遇の10年、特に前回のロシアワールドカップなどは、予選落ちという悲惨な事件まであったので、今の復活劇は本当に喜ばしい。
まあ、そんなわけで、次のワールドカップが楽しみだ。それまでにこの伝染病がどうか収まっていますように…。
それではまた近々。
A prestissimo!!