昨年94歳という大往生でこの世を去ったアルド・ブロバローネ氏。
この名前を聞いてピンとくる方はかなりのイタ車エンスージアスト。
でも、作品を聞けば誰もが知っているという重要人物である。
常に世界の美しい自動車を競うたびベストテンには名を連ねる、あのディノ206GT(246GTの元)のデザイナーなのである。
日本ではどうしてもピニンファリーナがデザイン!
という響きばかりが先行しがちなこのクルマだが、ご存じの通りピニンファリーナは会社名だ。
いわゆる当時のピニンファリーナの「中の人」とは、このアルドさんと、512BBなどスーパーカー時代に一世を風靡したフィオラバンティさんだったのである。
ちなみにアルドさんはF40まで、つまりフェラーリ黄金時代をほぼほぼ担当した重要人物でもあったのだ。
ワクチン効果でコロナ禍パニックが収まりつつあるイタリアでは、彼の一周忌の意味も含め、アルド・ブロバローネ展をトリノの自動車博物館で去る10月12日に行った。
彼の傑作はディノやマゼラティA6CGSが挙げられるが、日本では未輸入だったランチア・ガンマクーペも特筆すべき作品のひとつ。非常に洗練されたデザインは、いまもイタリアで高い人気を誇る。
今回の一周忌は、そのガンマクーペクラブイタリアが当時のカラーラインナップをそろえるという見事な演出のもと、生みの親の追悼イベントを行ったわけだ。
こういうところにイタリア人の自動車に対するただならぬ愛の深さを感じる。
いま見ても非常にモダンで切れ味のあるデザイン。
ヤングタイマーと呼ばれる70年代以降の旧車の中でも珠玉の出来である。
安全対策などの問題で、こういった繊細で美しいデザインを作ることが難しくなった現在。
だからこそ、あえて乗ってみたい一台ではある。
皆さんはどう思われます? このデザイン。
それではまた近々。
A prestissimo!!