イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。
ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。
自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。
「アメリカではこんな小さな子供から、毎日英語を喋ってるんですねえ!」
とはかの長嶋茂雄氏の名言だ。
少々無理のある導入ではあるが、イタリア人は果たして毎日イタ飯を食べているのだろうか?
基本はSi(はい)である。毎日食べるからパスタの種類もたくさんある。
絡めるソースの種類もたくさんある。
いっぽう、トマトが嫌いな人、小麦アレルギーでパスタが食べられない人。いろんな人達が当然いる。
だから、多くの日本人が毎日ごはんと味噌汁と焼き魚を食べているわけではないように、彼らが毎日毎日トマトソースのスパゲティを食べているわけでは決してない。
そもそもトマトだらけでもないし。
もちろん外食も大好きだ。
そんなイタリアには、トスカーナといわず多くのイタリアの都市に「Ristorante Giapponese」の看板が目立ちはじめている。
そのほとんどは寿司レストランなのだが、日本人が働いているケースはほんの一握りだ。なかにはWOK(中華鍋で作る料理全般の意味。イタリアの場合はなぜかビュッフェ方式を意味しているようだ)という、思いっきり日本語から離れているんだけど、日本食レストランの典型的サーブ方法だと思っているイタリア人すらいる。
そんなことだから、当然メニューと中身が異なる、もしくは激しく異なることも多々ある。
焼きそばを頼んで上海焼きそばが出てくることなどは可愛い方で、なんというか、人づてに聞いたレシピを元に勘で作ったような…。はたまた、日本に旅行(もしくは日本人が経営するレストラン)に行った際食べたメニューをうろ覚えで作ったモノが多いのだ。
まあ、それはいい。そこまでは許す。だが、味まで中華料理だとさすがに厳しい。
では、日本のイタリアンはどうだろう?
多くのイタリア人の友人たちは、日本のイタリアンを食べその旨さに驚愕する。
ただし、それはあくまで日本人の創りだしたイタリア風の料理としてである。
「コンテストじゃないんだし、古いレシピにとらわれず、美味しいと思ったものをいろいろアレンジして作れば、もっと美味しいものができる。美味しさの探求こそがイタリア料理の本質なんじゃないかなあ…。」
とは、その道のプロのお言葉である。イタリア人らしい相変わらず前向きな発言に勇気づけられる。
私も日本のイタリアンはすべからく美味しいと思う。でもなぜかイタリアから帰国するたびに言われるのは、
「いやあ、さすがにイタリアからお戻りの方とイタリアンは…。」
といわれるのだが、むしろそれは逆で、イタリアにも負けない「イタリア風」料理を堪能したいのだ。
ナポリタンはナポリタンで美味しい店がある。
なんでもかんでもボロネーゼって言うのはどうかと思うけど、美味しいミートソースのお店だってある。注文とった後のなんか変なイタリア語だけやめてくれればなおいい。日本語でいいって。そこは。
やっぱり毎日食べられる食事って美味しいに決まっているわけで…。
食事は大切。特に夏は…。
それではまた、近々
A prestissimo!