- イタリア好きが嵩じてついにはフィレンツェに移住までしてしまったCollezioneイタリア特派員Noriによる、「イタリアよもやま話」。
- ちなみに「Bollito Misto」とはいわば「ごった煮」のこと。
- 自動車、自転車、食事にワインやサッカーはもちろん、たまには真面目な社会的な?お話を勝手気ままにお届けします。
今年の日本は寒い。
大雪を例に上げるまでもなく、3月に入っても一向に気温が上昇しない。
欧州はまさかの暖冬ですが、日本のこの寒さは一体どうなってるんだろうか?
それでも、日差しはずいぶんと優しくなり、日照時間も長くなってきた。
肩をすくめて引きこもっていた時間もいよいよ終わり、ようやくスポーツもふくめ、外で遊びたくなってくる雰囲気が増えてきた。
前号に引き続き、今回も自転車について話をしたい。
ここで言うまでもなく、日本も空前の自転車、特にロードレーサーブームだ。
最近こそちょっと落ち着いたが、ひところは書店のスポーツ&ライフスタイル雑誌売場では、雨後の筍のように自転車関連雑誌が賑わっていたようだ。
このブームを支えているのがカーボンバイクだ。
通称カーボン。本名をCFRP、すなわちカーボンファイバーレジンプラスチックという。
自転車のみならず、自動車や航空機、果てはiphoneのカバーにまで使われているので、あまり特別な説明はいらないだろう。
とにかく軽くて丈夫というのがカーボン最大のウリなのだ。
いつの時代も「最新テクノロジー」という言葉についついクラクラしてしまうが、この自転車ブームも、カーボンによるところが大きいかもしれない。
かつてのスチールフレームだと、10キロを切れば御の字というところがあったが、物によってはフレームだけで500グラム台のものすら登場している。
実を言うと、ワタクシ、カーボンの自転車が苦手なのである。断然スチール派なのだ。
持っていらっしゃる方には非常に耳障りなお話かもしれないが、体重が80キロ以上ある、いわゆる巨漢系の私には、実は体重制限があったりするカーボンバイクと相性が悪い。
それはさておき、なぜスチールがカーボンに勝るかというと、
走るための軽量化が、趣味のモノとしての重さを兼ね備えていない。つまり、私には単純にカッコ悪いと映ってしまうのだ。
もちろん、峠道を走ったりするのには、この軽量は非常に魅力である。
しかし、フレームの重量を1キロ軽くするより、豊満な体重を3キロ減らすほうがはるかに楽なので、実はあんまりこの軽さを実感することはないのだ。
カーボン製バイクのヘイトスピーチにするつもりはないが、やはり高額商品なので、乗るだけでなく、「酒の肴」にしつつ夜もその機体を見つつ酒も酌み交わしたいのだ。
細身のスチールが織りなすバランスは、華奢な面持ちの中に凛とした魅力に満ちあふれている。
実際、60年代70年代の選手用機体などは、当時の最高峰という意味では、まさにクラシックレーシングカーの魅力と近いものがあり、きちんとした整備を施してあげると、うっとりするような走りをする。
速ければいい?
違うと思う。そういう楽しみが自転車にもある。
次号はそのディープな世界について語らせていただく。
それではまた近々
A prestissimo!