Bollito Misto Vol.238
コレツィオーネでもあまりみかけないイタリア車。
小気味の良い走りと、スーパーな出で立ち。
お値段控えめでカッコイイ。そんなクルマはいまや日本では存在すら忘れられているような気がしてならない。
FIAT X1/9
フィアット・エックスワンナインと呼ばれるこのクルマ(本国ではイクスウノノーベ)は、
令和の今まさに幻のクルマになっている。いや、とってもそんな気がする…。
平成初頭や昭和後半のおじさんにとっては
「あー、あのトヨタMR2みたいなヤツね」
なんて言われてましたが、そのMR2の元ネタです。
実はこのX1/9は今年50周年を迎えました。
思いのほかアメリカで成功したFIAT850スパイダーの後継車として72年に登場し、
再び成功を収め、日本にも多く輸入されました。
私も個人的に初めて自分で購入したクルマということも相まって、どちらかといえば完全にひいきにしている車種ですが、それを差し引いても「非常に良くできたクルマ」なんです。
最大のポイントは「使い勝手の良さ」
見た目は、いわゆるスーパーカー世代のど真ん中デザインなので、平べったく、背が低く、二人乗りでとんがっているわけですが、着脱式のルーフトップはフロントボンネットの下に実に巧妙に収まり、そのトランクスペースには大人がひとり入れるほどの容量があったりします。
(学生時代に友だちを入れて大きな駐車場内を走り回ったことがありますので間違いない)
さらに、そこそこの荷物がリアのトランクにも入るので本当に便利。
初期型で1,300cc。後期型で1,500ccのエンジンも、オリジナルのイタリア仕様はとっても活発に回り、多くの伝説的なレーシングカーやスーパーカーのシャシーデザインを行った、ジャンパオロ・ダラーラ氏の腕も相まって、小さな出力ながらも高いレベルのドライビングが満喫できる「痛快なクルマ」なんです。
まあ、気に入って二台も乗っていた人間のコメントですので、たとえハナシ半分で結構ですが、本当にイイクルマです。
キャンプや大勢での旅行のためのクルマが流行な令和の今ですが、ソロキャンプなども同時に流行る時代性。
走りの楽しみって、高い馬力がすべてではありません。
快適性やフルオープンにもまけない開放感たっぷりのタルガボディと、お尻を中心にくるくると回るようにコーナーを抜ける見事なシャシーなど見所満載のX1/9。
スタイリングもいまだに独創的だし、不人気?
いや、決してそうじゃないはず。
50年目のいま、再び注目してみても良いのでは?
それではまた近々。
A prestissimo!!